プロジェクトの背景
中央アジアに位置するアフガニスタンは、2021年8月末に、治安維持のため20年近く駐留していた米国をはじめとする外国軍が撤退したことを機に急激な変革期を迎えています。米国が撤退を決めてからは、イスラム主義勢力タリバンが勢力を増し、撤退直前の8月には一気にアフガニスタンの実権を掌握しました。この急激な変革に乗じて、国際テロ組織ISによる爆弾テロが起きるなど、政情不安に陥りました。この間に、新たに数十万の人々が住むところを追われ国内避難民として厳しい生活を強いられています。
国際社会はタリバンを警戒しながらも対話を始めていますが、現在も、経済制裁が続いていて、アフガニスタン国内は経済的に極度の困窮状態にあります。
アフガニスタンは、政治的な混乱を迎える前から、頻発する干ばつにより食糧が不足していて、食糧や生活必需品の価格が暴騰、また銀行で預金を下ろす額にも厳しい制限があり、市民生活は危機的状況です。
NICCOは、2001年からアフガニスタンで支援活動を実施しており、この度の危機に際し、現地提携団体と協力して、食糧支援を実施することになりました。
プロジェクトについて
NICCOは、アフガニスタン西部のヘラート州にて、現地提携団体と協力し生活に困窮する約2000世帯(約14,000人)の各世帯に約12,000円相当の食糧を実施します。
現在、アフガニスタンで最も求められている支援は、食糧支援です。NICCOは2022年3月より、アフガニスタンで経済的に困窮する市民に対して、食糧支援を開始しています。
命をつなぐためには、食べるものが不可欠です。アフガニスタン全土を支援するのは難しいことですが、私たちが出来る支援を、確実に実施するのが、NICCOの役割と考えています。
ひとりでも多くの方へ食べ物を届けるために、皆様からのご協力が必要です。
軍事力では、平和と繁栄は築けない
国際社会にとって、2021年は、武力では平和と繁栄が築けないことを、はっきりと再認識する年となりました。国の平和と繁栄は、その国の人が中心とならなければ上手く行かない。外国の軍事力による安定は、見せかけでしかなく、本来の国づくりには一向に近づかないことを学びました。人づくりを蔑ろにして、国づくりはできません。
駆けつける。そばにいる。
私たちは、アフガニスタンの20年を振り返って、人づくりには、時間がかかることを知っています。
緊急人道支援として食糧配布を実施する予定ですが、人材育成、農業復興もNICCOは取り組んでいきます。
NICCOのアフガニスタン人道支援は、日本の市民の皆様からのご寄付と、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームの助成により実施されています。